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Flat  /   Spherical

1800ml 4,180円(税込)

720ml 1,980円(税込)

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7.原料米の選定

酒造用米には中心に心白(しんぱく)という食用米にはないもろい部分を持つものがあります。この心白部分まで精米すると米は砕けてしまい酒造りには使えません。その大きさや形状は米の品種によって異なり、扁平精米は奥行を中心に精米する特性上、心白の大きい品種には適していないという特徴があります。

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酒造用米にある心白(濁った部分)

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また酒造用米も食用米同様、使用前に水に浸しますが日本酒の場合その加減が厳密で、加えて扁平精米の場合はそれが見た目から判断しにくい傾向があります。そこで従来の球形精米での経験を活用します。


竹鶴酒造で使用している原料米の品種は八反35号・八反錦1号・改良雄町・中生新千本の4種で、心白の形状から扁平精米に適しているのは八反35号と中生新千本です。

八反35号は熟成して味わいに深みが増す特徴があり、竹鶴酒造の「食をおいしくする」主題に向いた品種です。そのため熟成による劣化臭の変化を見るのにも適しています。よって使用する原料米は八反35号にしました。

8.精米歩合

どの程度まで精米するか(精米歩合と呼びます)は胚芽が残りかつ竹鶴酒造で実績があるいう条件から、表面の35%を取り除く事にしました(精米歩合で表すと65%)。

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八反35号の扁平精米

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八反35号の球形精米

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9.酵母の選定 ~「急激に進む発酵」への対応~

前頁の6で挙げたように『胚芽を残した扁平精米』では、

 

Ⅱ.初期に発酵が急激に進んで品質に影響する

 

という問題が発生します。日本酒造りにおいて酵母にはある種の寿命があり、初期の発酵が活発過ぎると後期に早く死んでしまい発酵が不十分になるのはもちろん、雑味の発生原因となります。これは冷却機で強制的に冷やし酵母の活動を抑えれば解決する事ではあるのですが、風土に根差した酒造りを主題とし、環境負荷低減を考える竹鶴酒造では採用し難い方法です。


竹鶴酒造には公益財団法人日本醸造協会から販売されている「きょうかい6号」という日本酒用酵母が突然変異した『竹鶴6号』という酵母があります。「きょうかい酵母」は1号から順にいくつかありますが6号以降は縁戚関係にあり(8号は除く)、11号以外は自らが作るアルコールに弱いという酒造用酵母にしては奇妙な性質があります。竹鶴酒造は2000年にきょうかい6号が突然変異しアルコールへの耐性を身に着けた酵母を得、これを『竹鶴6号』として使用しています。アルコールへの耐性を持つ酵母は発酵初期の活動が緩慢になる事が多く、この酵母も同様です。

そこで『胚芽を残した扁平精米』で発生する初期の急激な発酵という問題には、『竹鶴6号』の使用で対処する事にしました。

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竹鶴6号

酒母とは日本酒の発酵に必要な酵母を培養したもので、いくつか方法があります。竹鶴酒造では江戸期に確立された「生酛(きもと)造り」と現代主流の「速醸(そくじょう)造り」の2方法を取る事ができます。

生酛造りには多くの成分が含まれ日本酒の味わいに深みをもたらす一方、それらが干渉し味を分かりにくくします。この度の扁平精米と球形精米の味わいを比較する目的には不向きと考え、酒母は速醸造りによる事にしました。

10.酒母(酛)の種類

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11.仕込み時期

初期の急激な発酵には『竹鶴6号』で対処することにしましたが、万全を期し1年で最も寒さが厳しくなる大寒の頃に仕込むことにしました。


その他の工程は竹鶴酒造でのいつもの方法と同様にして造りに臨み、事前の調査を慎重に重ねた成果か初期の急激な発酵が起きる事もなく順調に進みました。

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扁平精米の発酵経過

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球形精米の発酵経過

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